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小屋の片付けをしていたら、1960年の新聞会日誌（左画像、クリックで拡大）が出てきた。Ｂ５判のノート。４月20日に始まり、10月10日で終わっている。
[1960年4月]
(p.1)
４．２０（水）
連絡会議
第１７回全学新全国委員会（岐阜）に全国委員に村松君、評議員に秋山さんを派遣することに決定
独文との話し合い
独語中級試験に関して
４．２３日（土）
国会請願に２００人（教大）行く
４．２５（月）
文学部学生大会
安保批准阻止に４．２６にストライキで立ち上がることを決議
４．２６（火）
第15次安保阻止統一行動デー
教大四自治会は、国民会議の統一の下に清水谷公園に集合、整然と請願す
参加者 １００８名（教大）
８３５０名 （清水谷に参加した総数）
７万５千人が国会請願に参加
韓国李大統領即時辞任
５０万人の京城市民のデモ
全学連、国会正門前で警官隊ともむ
４．２８（木）
トルコのイスタンブールとアンカラで学生のデモ発生 原因は報道禁止
サツ入れ
(p.2)
４．３０
３３６号編会
[1960年5月]
５．３
奥武蔵高原ハイキング（新入生歓迎）
参加者
小野、坂本、鈴木、小山（一年生）松村（五年生）鈴木、諏訪（四年生）、大谷、橋本（三年生）、鈴木、村松、倉根、金子、永井、鴨志田（二年）
夜の部に、青柳、武富（三年）出席
５．４
大掃除、秋山（４）、久保田（４）、村松（２）、鴨志田（２）、
１１．００～３．３０ 鈴木（２）、伊藤、小野、坂本
帯封家庭持参者 秋山、鈴木（武）、久保田、鴨志田→以上の者は以後、ライティングを免ず
ヒロビロとしてしまったんです
モノサビシクなってしまったんです
お互のフトコロもモノサビシイのです
５．７
編集会議
５．１１
連絡会議
学園祭分担金納入率の低調さを深く憂慮し、全員即座に納入することを決定
編集会議（主張討論）
学園祭の問題について
主張執筆者・・・・村松
[1960年6月]
(ｐ.３)
６．６ 資料係がいないので代理がメモします。
┌６． １ 民主主義を守る教育大学・研究者の会 １時
│ ２ 民主主義をまもる学者・研究者集会 教育会館→文京公会堂
│ ３ 東京都学生総決起 本 首相官邸 ３０００
│ 反 １万２０００人（８０００） 清水谷→国会→八重
洲口
│ ４ 国電各駅とまりこみピケ 教大は上野４５０→東京（全逓支援 ）
│ ２時千駄谷「東京都学生総決起」８０００名（教大４００）→国会 →アメリカ大使館→新橋
│ 主 国会デモ 不明
│ ○ 労働者 全逓、その他 多数
│ 学者
│ 文化人
│ 中小企業・商店
└ ５ 国民会議 幹事会 ６．１０、６．１１→６．１７ スケジュール決定
社会党臨時大会
出てききた人
┌ 安達、榊原、秋山、久保田
│ 大谷、橋本、渡辺、
│ 金子、倉根、竹内、村松、鈴木タ、間山
└ 鈴木ヨ、伊藤、小野
各わりあての部所で取材・討論をおこなう。
(ｐ.４)
教授購読料のあつめの分担きまる
代理メモ
アイク訪日延期の噂流れる
学長選挙
６月６日 しめきった推薦届けによると、すいせんされたのは朝永現学長と藤岡由夫氏であった。
この結果をもって、教職組、教授などに取材にまわる
３３８号 面担決定
１めん 間山
２めん 鴨志田
各グループ
６．３→６．４ 総括と国会解散・岸内閣打倒の
ための斗いの展望を討論
桐葉祭の総括 各クラス・サークルへの取材
さくがんき討論
出席者
連絡会議
全学新大会実行委員会へ、二人送ることを決定
┌ 小野君
└ 鈴木君
６月３日 くもり 午後3時清水谷公園・安保批准阻止・岸内閣打倒
国会解散要求大会・参加大学および参加人員
集会後赤坂見附からプリンスホテル前を通り議面、正門を経て新橋銀座へデモ
主流派は首相官邸前へ集合、正門を網でひきたおし前庭へはいるが警官によってけちらされる。負傷多数。
夜 Ｅ２０５に２００人ほどあつまる。学部・学科ごとに班を編成。新聞会で一班を編制する。新聞会の班は各自分散して取材にあたる。支援団体、教育大学自治会４７５人、法政（２００）、芸大（１５０）台東区日教組支部、東洋ゴム等
４日午前３時、上野駅周辺デモ、４時配置につく。
教育大は正面玄関と地下鉄口。取材のため、タケトミ、サカイは山下口、ムラマツ タケウチは公園口。アダチ、スズキは南口に配置。
午前４時１５分 東北線列車到着。乗客を誘導し玄関前広場へ出す。各玄関ではピケと説得活動、トラブルなし。
６月１３日晴
６月１２日夜１１時２０分、官憲１７０名ほど（私服３０名 第五機動隊百数十名）が学内に乱入した、
立会い教官なしに自治会室を捜査し、ハガチー氏事件に関する物件１５件を押収した
６月１４日（晴天なれど学内には曇気漂う）
１０時 不当弾圧抗議学内集会 第三講堂
史上初まって以来、初めて講堂が満員
参会者約１８００名「
１時 不当弾圧抗議全都学生総決起大会 於グランド
教大、法大「、学習院大等 約２５００名参加
３時 口会、警視庁抗議デモ、教大約１３００名
１時 各学部緊急教授会 ─┐
３時 補連協 │ 各開催
４時 評議会 ─┘
学内捜査対策小委員会結成（仮名）
学長、学部長、その他談話取材 ─┐
抗議デモ取材 ─┘
夜半 号外発行（号外第三号）
乞 一層の奮起
(ｐ.8)
（欄外）午前 民主主ギを守る会、職組、院学協、四自連の共催で講演会
６．１５
○実力行使(第二派)・統一行動「安保批准阻止・岸内閣打倒･口会解散」 ２０万が口会周辺に結集。
夕刻からデモ隊の中へ右翼がバットの先にクギをうちつけた凶器でなぐりこみ、口会構内にいた警官はこれを冷然とみていた。学連主流派はこれに憤激した学生のエネルギーにのって口会構内に突入し、警官隊になぐられけられて３０００名が口会構内に孤立した。このとき東大の樺美智子さんが警官の暴行によって虐殺された。そのほか多くの学生がひん死の重傷をおって救急車ではこばれ、その中にははこばれる途中で死亡したものもあるという情報もあり、また失神した学生に手錠をかけてはこんだなど警察は暴虐のかぎりをつくしたのであった。しかも構内の学生ばかりでなく周辺にあつまって抗ギしていた学生、教授たちまでも催涙弾でおいはらい、集団でなぐりつけるなどの暴行をくわえ、口会周辺に近づいたものはすべてたいほしようとした。
一方日比谷――警視庁にいた反主流派２万の学生は、口民会議の要請で口会へもどることは断念したが、解散後「救護班」をつくり赤（？）十字の旗をかゝげて口会に近づいたところが、ホースで水をかけられ、警棒をふりかざした警官やパトカーに追われてちりぢりにならざるをえなかった。
○このニュースにおどろき、かなしみ、かつ怒った新聞会は、号外編集にとりかかり、樺さんの死を安保斗争弾圧の犠牲として深くいたむ思いをのべた。
（ｐ.９）
６．１６－あめ
１０．３０－１２．００
安保斗争への暴虐・弾圧に抗ギして、学生集会
朝永学長も学園の自治等についてあいさつされる。
９．００－１０．００
┌ 朝永 ４９２
学長せん挙 第一次投票 │ 藤岡 １８５ 第二次被せん挙権
│ 石 １１５ をかくとくした人々
└ その他２名
２．００ 全都集会、日比谷野外音楽室
教育大、法政、立教、お茶大、本女、共立女、立教、学習院、商船大
、
１３００
東大ｃ、早大、明治大、Ｉ．Ｃ ．Ｕ 合計２万
警視庁デモ
４．４５ 口会
アイク訪日中止のニュースをきく。
はげしい雨の中をうずまきデモ。すわりこみ。
１０．００ 銀座デモ
駅頭で朝からカンパ ６０余万円あつまる
号外 ５
○学長せん挙 他
（ｐ.１０）
６．１７ はれ
河上丈太郎氏が右翼集団に傷をおわされるというニュースが入り、右翼のちょうりょうに口民の怒りがあつまり、口会周辺に抗議デモ
全国各地から参加の
○ 安保自然承認前に強行採決をおこなうかもしれないという
ニュースが入り、学生は緊張して口会へむかった。
教育大からは１０００名
口会にすわりこみ、その後デモで東京駅へ。
○ 学長選挙第二次投票の結果、朝永学長が再選された。
○ 駅頭カンパ １６日と合計で１００万となる。
（ｐ.１１）
６．１８ くもりのちはれ
安保自然成立を非難して口会へ33万人あつまる
学生は主 ３万人反主 ２万人
地方代表をふくむ。
午前 学内集会
午後 口会へ、 ６００名（体育学部 １００名）
このあと、主 は すわりこみ
反 は 警視庁抗ギを経てすわりこみにもどるという
ことで出発し、そのまま日比谷で集会をもち口会へもどらなかった。11時デモ 解散。
このため都自連に結集した学生の間にも、すわりこみにいくべきだ
という声が多く、口民会議の要請にも不満は多かったが、これを解決する方向は示されなかった。
主流派は１８日いっぱい、１９日前零時６分を経て、１９日前６時まで口会周辺へすわりこんだ。怖れられていた右翼の挑発も少く、教授の説得もあって 指導部の口会再突入、１５日のとむらい合戦という行動は実現されなかった。学生大衆の闘いも挑発にのるな、突入は絶対しないという声がつよかったことが注目された。
この日教育大では、体育学部１００名が堂々と参加し、全国のもりあがりを現実化した。
共同編集（お茶大、法大、理科大、教大）で新聞を出すことに決定し、１８日から編集開始。
（ｐ.１２）
６．１９ はれ
都自連会ギ
号外予定 ２１日あさ ＮＯ．６
共同編集 ２５日発行
（ｐ.１３）
６．２０ はれ
ビラ 「樺さんはこうして殺された」新聞会
口会へ結集せよ 社学同教大支部
自治会のビラは一枚も出ず、「自然成立」による空白感を斗う意欲で克服するみちは示されなかった。
この一日の重要さは確認されていたにもかからず、何の行動指針も出されなかったことは検討を要するというこえが多くきかれた。
午前１０時から３０分にかけて参院で安保関係３１法案１政令３２付が自民党の単独強行採決が行われた。
これには参院社会党、民社党、同志会も共同して抗ギの声明を出している
農学部では学生と教授の「学園の自治についての研究集会」がひらかれた。これは､自治会と連絡なしにひらかれたため、自治会指導の問題が「不信」というかたちであらわれる危険もふくんでいるという見方もある。
夜、号外を出す予定であったが、体制がとゝのわず、方針も明確に討論されなかったため、２３日あさに延期された。
（ｐ.１４）
６．２１ くもりのち雨
○ストライキ
○１０：３０ 新安保不承認、不当弾圧反対の学内抗ギ集会
○１２：３０ 各学科別合同クラス討論
各教官をまじえてかなり盛会だった模様
○２：００ 第一ギ員会館前で全都学生総決起大会を開く
警視庁→口労会館デモ ４：３０ 解散
夜半から国鉄ストライキ支援の為上野（文学部）東十条（理・農・体）に行った。
（ｐ.１５）
６．２２
○全学ストライキ
午後国会へ１００名（最後まで４００名）
○共同編集 原稿入れ午後６時
○第一波 編集会ギ
企画会ギ
○民主主ギを守る会 執行委
教授会声明を討ギ
６．２９（水） 晴 おおいにあつい
６．１３ 不当捜査に関する報告会
文学部 講堂
教 合併
あつくてあつくてみんなげんなりしてました
連絡会ギ
合宿の件
希望者の多数の希望により9月２日～６日に決定
みなおべんきょうが大すきで、よい傾向です
[1960年7月]
（ｐ.１６）
７．９（土） はれ あつし
連絡会ギ
夏休み中の行動について
帰ったきりなしのつぶてではいけない
研究会 全学連について
学生運動の対立
学生新聞運動活動論
サークル運動理論 合宿で
文集をつくる
レポートを出す
２人のレポーターをつくる
トロ側と統一派
７月１３日 １時から ４月からの新聞の内容を総括
７月１４日 １０時から 学生運動の二つの潮流報告討論
１５日 １０時から 討論
１６日 １０時から 討論
７月１３日
内容を中心とした活動報告
意見発表、解決はしない
７月１４日
両側の報告討論
学生運動に対する個人の態度の討論
情勢、総括 etc
７月１５日
レポーター
７月１３日のレポーター
橋本、大谷、倉根
７月１４日のレポーター
トロ 武富
統一派 竹内
（ｐ.１７）
読書会
実践論・矛盾論、ジャン・クリストフ、歴史における個人の役割
口民と教育、作家の仕事、現代美術の冒険、
フォイエルバッハ論、空想より科学へ、文学論（社会主義リアリズムとの関連について）
作家の仕事（エレンブルグ） Ｙ９０
新文章読本、異端とセイケイ、歴史における科学――１巻
正統
農民
矛盾論・実践論を皆で読む
残りはミリキによって各自やる
第１回 １８日、２０日、２２日、２３日
１時～５時
レポーター 第１日 村松
第２日
原水禁大会
８月１日～１０日すぎ 東京にて
デスク派遣
文集 〆切 ８月２０日まで委員長に出す、
渡辺、秋山、久保田
研究会と読書会のレポート
統一テーマ
組織と個人
文章論――間山
在京者会議
１週間に１度 水曜の午後１時
会長 橋本
（ｐ.１８）
７．１３ 研究会
会長総括報告、編輯長、業務部長の報告があり、４月以降の会活動に関
（ｐ.１９）
７月２１日 やゝ風あり むしあつい
特別のスケジュールなく、へやを訪れるものもすくなし。
倉根、酒井、業務の両幹部は､残務整理などにがんばる。その他、諏訪、秋山
部室をかたずけたり、しゃべったりして、そのうちに帰宅（？）。
（ｐ.２０）
（空白、記述なし）
[1960年8月]
（ｐ.２１）
８月３日
在京者会議 会長、編集次長、元編集次長、元経理部長、物理学者の卵、その他１名
６名が一度に現れたのではなく、瞬間最大人数が５名。
第６回原水爆禁止大会が昨日からはじまったので、そのために 情勢と今大会の意義についての討論を行なう予定でしたが、人間が集まらないのと集まった人間が暑さに敗れたフリをして、討論を極度にイミ、キラッタのでアッサリ中止。
４時すぎには報告者のはずであった老人が１人むなし。
資料をつめこんだかばんのそばに座っていました。
住所録に 会誌原稿募集のことを書いて送る仕事、やりかけで散ってしまった。勝手にしやがっちやうよ。
（今日中に発送しておきます。）
明日４日
①全自連 第２回大会
②全学連 世界大会代表団会ギ
③全学新 世界大会共同デスク会ギ ｐ．ｍ ２．００～
④世界大会 口サイ予備会ギ ９．００ 東条会館
②は小野くん
③は村松くん が出席するでしょう。
ダレか①と④に出た方がよい。 ④は記者章１つあり
受付には秋山女史あり。
（ｐ.２２）
８月４日
１２時０分５秒すぎ入室。やることあるも、なすこともなし。
太陽はいぜんとしていっぱい。
奨学金を頂戴するも、オゴル者なし。
西武に向う。
１２時０分３５秒。
（ｐ.２３）
８．８
世界大会階層別協議会
学生協議会は中執派諸君のヘルメットにコンボーという「武装」での入場妨害にはじまって、ケガ人、代表バッチもぎとられなどの被害者続出。協議会開催の見通しがつかないまま 日でりの下で午後を迎えた。
午後０時５０分、日射病になるかと思うような暑さで、いささか根気負けした学生が会場前公園にバラバラ散っていた矢先いきなり私服２．３０名がなだれこみ、タイホ状提示どころか一言もアイサツなしに、アッという間に法政 女屋 教大 黒羽の両君をつかんで引きずり去り、抵抗する学生に対しては、背後から前方から、機動隊１００名以上が 挑んできた。
（この間に中執派の加藤くんも ６．１５事件を理由にタイホされた。これを阻む学生１名が公務執行妨害でやはりタイホ。
協議会を開くことを引きのばし引きのばしてきた中執派諸君は、ホッとした表情をかくせいない反面、弾圧に対して共に抗ギデモを行った。
その後 ギ運では、正式に協ギ会流会を決定。
世話人会ギ（議運は学連ばかり）
れをきいた統一派諸君は池袋ケイサツから警視庁
に抗ギデモ。（４００人 ていど ）
３００人
夜の「全自連に結集し、大会の真の成功をねがって『階層別
協ギ会に参加する学生協ギ会』」といったよう
な名前をつけた会ギが開かれ、ケイカ報告、総括報
告（大会協ギ会への基調報告）などにもとづいて討ロン。
大会流会の責任追及と不当弾圧への抗ギと原水協へ
の要望などの特別決ギを行った。
全学レン中執は、夜、原水協脱退を表明。
（ｐ.２４）
８．１０ 午前１１時
この部屋に中学生がひょっこり顔を出す。どなりつけたら階段をかけおりていった。夏期講習の生徒らしい。
暑さのかげで とんだ非行をしてしまった。
部屋にはだれもいない。おまえはだえれだって。おれはきままな能なしさ。まあ、だれもいないことにしよう。
窓から涼しい風がふきこんでくる。こんなエアコンディショニングのついた部屋に予ひとりで・・・・・・たのしいもんだね。
原水禁大会は昨日でおわり、暑い毎日、おたがいに御苦労さま。
予のでていた限りではこんどの大会は非常に力強いものであった。
”斗う”という姿勢が参加者のほとんどの支持をうけ､現に討論もその姿勢ですすめられた。「ヒューマニズムの立場に立つからこそ、我々は戦争勢力と斗わなければならないのだ」ということばを
単なるスローガンにおわらせてはならない。戦争勢力といったとき、現時点において、それは米帝国主義をさすということは一つの客観的な事実である。それを明確にしなければならぬ。米帝国主義に対立するということは米国民に敵対的眼を向けるということではないし、また、そうあってはならぬ。戦争勢力はこの世が人類の住み家であるかぎり、ごく一部のキチガイにすぎない。
中共代表団や沖縄代表団への拍手は一段とたかいものがあった。日本人のどこかにある民族意識の表われであろう。ただそれだけでなく、平和を希う人々との連帯の感情もつよくはたらいている。
「軍備全廃をめざす」というスローガンの下に開かれた今大会はそれに関する具体的提案として、「原爆の恐ろしさを世界の人々に訴える運動」や「日本にある米軍基地撤去要請」の運動、さらに、「沖縄、北富士、新島支援の運動」それの根本にある「安保廃棄の斗争」が提示された。
「軍備全廃」という抽象はこれらあらゆる斗争によって具体化されるだろう。”平和共存”について様々な意見がだされた。平和共存は現にあるものであるが、それとも、それなくして人類は生存しえないといういわば悲
（ｐ.２５）
願のようなものか。それとも平和共存はナンセンスか。予は平和共存は現にあるものであるし、またそれを志向しなければならぬと思う。この過程の中では、社会主義は当然の帰結である。
原水協の政治的偏向が云々され、原水協は共産党の私物化したという風聞がまことしやかにかたられている。左右の分裂主義者の言である。
これらの言にたいしてはただ一言をもって対決しうる。即ち、現時点において、平和運動は政治的にならざるをえないし、それが国民の統一とヒューマニズムをまもる唯一のものである。
全学連主流派は完全に浮きあがり、もがけばもがくほど、自己の本質を暴露し、その「バカバカしさ」を明白にするだけだった。この大会において彼等にはすこしの紳士性もなかった。あとはバカバカしくてかくきがしない。
今大会は・・・・
鈴木君がはいってきた。現在１２時。 東プレーヤー
誰も来ていない。おどけてドアをノックしたけれども、村松一人では反応がないわけ。
病院に入っているとこの部屋がむしょうになつかしい。
来てみると、以前といっこうに変りばえしない。雑ぜんとした、閑散な部屋。人間の執着心なんて面白いものだ。世の中の夫婦なんてものもこんなもんかもしれない。一緒にいる時は”こんな奴”と思う。離れていると自分の一部分が欠けたような物足りなさを覚える。
それでまた一緒に暮らせば、”何んだこんなものか”と思う。習慣と執着、案外、離れられないものだ。
この悟りすました人の顔がみたいね。
（ｐ.２６）
８月１２日
仕事のついでにふらふら寄ってみたら、だれもいない部屋
の中で紙くずがゆだっていました。
〈会長さまに詳しく報告します〉
管理人のおじさんがいうには、廊下に出してある新聞〈共同編集号 ２０００部〉
をガキどもがひっぱり出してあそぶのでちらかってしょう
がないうえに、学務課のネズミが文句をいいにくる
のだそうです。それでぜひ早く処分してほしいというから
私も頭へきちゃって、くずやを呼んでくれれば、
すぐ売りはらってもいいのだと放言してしまいました。（逃げ口上のつもりで）
その時、管理人室の入口にあらわれたのが、ほかな
らぬくずや、まさにその人だったのです！
５貫め（１８．７５kg）で１２０円、私たちの愛しい古新聞は、とうとう売られていきました。この次 あえるのは、
アジの干物を保護しているすがたか、それとも、もう二度と
と生きたすがたは見られないか・・・・・
とにかく、こういう処置を私ひとりで決断してしまったこと
を深くおわび申しあげます。
けれど、いつまでも廊下に放り出しておくわけにもいかず
これからどこかへさばく目当てもなし、資料用に
２００部ほど残っていますから、この後困ることも
ないだろうと思います。
会長の判断をまたず、軽卆なる行動をとった
ことについて、心からおわび申しあげるとともに、寛大
なる処分をまつものであります。
なお売上げ１２０円は私が保管して
います。遊興費につかうおそれがあり
ますから早くとって下さい。
秋山拜
（ｐ.２７）
北海道新聞からの薄謝は受とりました。
大谷さんと半分ずつということになっているのですが、
御本人がいないので、あずかっておきます。でも
ハンカチ三枚の薄さだとは思わなかった。千円札
一枚の方がうすいことを知らないのかしら。
さて、肝腎の新聞の方はどこにあるのかわから
ないのですが、どなたかごらんになりましたか？
もし送ってこなかったのだったら、送るようにたのむ
のですが、どうだかわからないので困っています。
竹内さんへ。
黒板にはってある誘惑状をみて下さい。
この部屋に２時間もすわっていると、まるで
こんな時間が自分の生涯の中に何故あるのかという
深い疑惑にとじこめられるような気がします。でも
台風一過の空には、もう秋の雲がさらさらと流れて
南西の風が窓をがたがたならしていますが、この秋の気配も
こんな風に ぽかぁーんとばかづらをして、とりにが
した時間のあったことを悔む気はおこさせません。
今日はもうだれも来ないでしょう。
帰って日給をもらい、家へ帰って勉強する
ことにします。
郵便物
学新、K大義塾新聞、立正大学新聞、教育大学新聞（あて先がかいていないので戻ってきた）
雑 Stu.Times . 生産性、ソ連邦事情
IUS News Service
JAPAN STUDENT の記事あり
（ｐ.２８）
８．１８
会長殿のお許しを得て、この部屋でバイトを始めて、一ヶ月。
この間、ちゃんと授業をやったのは８日間だけ。これから、少し馬力をかけようとするところ。今日、一番うるさいのが来ていないから、少しは静か。
日本口内某所に避暑に出かけて手と足を真赤にして帰京しました。
８月１８日。会誌の原稿〆切りにあと二日。この部屋に原稿の香りもしない。閑散と人気のない部屋に新聞、紙屑、フトンがウズ高くつまれ、その中で中等数学を解く。
勉強が終ったら、部屋の掃除をさせようと思って、なだめたりすかしたりする。
こっちは夜行で帰って来たばかりなので、眠い眼をかすりながら、
横目で彼等の計算を眺めながら、駄文を書く。
まず考えた。会誌の原稿徴奪から如何に逃れるか。（別筆跡 逃げたければ／勝手に 逃れなさい。
この目的達成のためには、会内の情勢を正確に分析し、会誌発行推進
派に対して、統一戦線をはることが必要である。この際の第一段
階の目標は発行の延期をかちとるための斗いであり、これは後期の
活動に大きな障害を与えるようになる。
このノートは公共物である。従って、図々しくもこの種のこと会運営
にとって大きな阻害となることが語られることは許すべからざる
行為である、なんていうことを言い給うな。
原稿を考えるだけでウンザリする、可弱き純情なる男性がいること
を会員諸兄姉はお忘れなく。
やっとソウジが終りました。ウズ高く積まれていた
新聞紙屑は形をかえて、どこかに行ってしまった。
では、これからソウジのホウ酬のため、ソバヤへ。
いざ！
（欄外 別筆跡 こっちは高姿勢だぞ。会期延長、単独採決・・・いろんな手がある。）
（ｐ.２９）
８．１９ 午後２時
安達兄よりTEL。「カサを自治会室へ」あいかわらずだ。
小生昨夜菅沼よりかえる。これから家にかえる。
武富兄よりTEL。・・・・・・
原稿はあつまらない。小生のへたな古い小説でもだしとくか！
この状態をいかんせん。
秋山様へ
小生の小説（？）、文集が万が一にもできた暁にはできれば、いれていただいてもよろしいと思います。小説は小生のボックスに。今はこのテーマから一歩でた考え方をしているつもりですが、ナカナカかけませんですのでお古いながらあしからず。
統一テーマの原稿は２５日にいれます。文集というのは一人のものでないことをかんがえれば、かような合理的なたいどでもいいのではないのかと思いますので。小生は２４日か２５日に帰京します。
”社会主義”リアリズムの読書会はそれからにお願いします。
では・・・・ 天
８月１９日 午後四時三十分
偉大なる？中原兄に。本日二時から連盟で在京全執らしきものを開きました。
連通は依然として出ていません。――発行予定２５日
佐藤氏の原稿が入っていませんので学連大会の模ようは委員長が２１日までに書くことに決定しました。
つきましては、学連大会の中執派のレジュメのレジュメを２０枚程度にし、まとめて下さい。（２１日まで）
この次の会執らしきものは、２６日午後２時に開くそうです。
ひょっとして、明日天気が良かったら鎌倉のマーチャンのところに二日ばかり行って来ます。ひよっとしなかったら午後一時ごろここに来る予定です。偉大なる君がいないと連盟は開店休業を永遠につづけるでしょう。
尚、文集の原稿は当分、かけそうにありません。
（ｐ.３０）
８．２０
柏崎在住のS・M 君が原稿を速達で送ってくる。
全く”うれしい”ことである。 ２０日ピタリに到着した封書
差し出し人の名もない。
おそらく牧君か？
村松君を喜ばせ、彼を激励し、原稿督促を激化させる大きな力。
村松君喜ばせる便りは 彼のボックスへ
（ｐ.３１）
８．２１（日）
台風が南の空気と秋の空をいっしょにもってきた。暑さのぶりかえし。
室に入ったら、どうもいつもとは様子がちがう。ラジオをかけたら、
３対０で法政二高の優勝がわめかれていた。窓をあけ
て風をいれる。冷房不完備。
今日は２１日。だから昨日は２０日。２０日は文集原稿の
締切り日。だから今日は２、３人の編集委員が編集に大
わらわしているだろうとの情勢分析にもとづき、カッティング要員
として勇躍来室するも、その形跡のほんのひとかけらも見あた
らない。ほっとした。理由は、・・・・・・・・？
それにしてもへんだな。なんだか居心地が悪い。
明日からまたバイトが始ります。また１０日間、ガキども、あるいは
未来の娘ども――１人前にあつかわないとすでに不満足な顔をする――
を相手にすることになっている。
それにしてもなんだかへんだな。
昨日はマーチャンちへ行く予定だったが、１４号のため、日よる。
今日はいい天気。行きゃよかった。
どうもへんだな。
あ、そうか、掃除してあるのか！
会長ともあろう人がねぇ―
（ｐ.３２）
８．２２ Ｍ 午後２時半
文集原稿のあつまりぐあい
できているもの
一年生 ２ （小山、Ｓ．Ｍ）
二年生 １ （二年の男性は全く音沙汰なし）
（村松） ゴメン、とりけし
三年生 －１ （かかないことにきめた人がひとり）
（別筆跡 アヤマリ）
四年生 １ （秋山）
できかけているもの
一年 ０
二年 ２ （鴨志田、間山）
三年 ０
四年 ０
以上を合計すると、２４日ごろまでに、小説２～３、評論１、
統一テーマ参加１、その他１，の原稿が入りますが、これでは、
内容がいかに充実していようと（その点は自信があるけれど）
あまりに小グループの仕事になってしまうので、どうしても
しめきりを５日ほどずらさなければならなくなりました。
しめきり：第二次：２５日を予定に、ハガキの催促状
を２１人にあてて発送いたしました。
しばらく使わなかったのでカッティング用の筋肉はさびていて
始動までに時間にして３０分、カロリーにして・・・・？
を要したことを報告します。
私（秋山）は、今後毎日午後くるつもり。夏休みも
いまごろになると勉強したくてもすることがないので、
出てくるのは苦痛ではありませんが、それにしても、
毎日待ち呆けかと思うと辛いです。
家でのんびりと休養している人たちが早く原稿を
かいてくれますように。
（欄外）出席簿
８月（２２）,２３,（２４），（２５），（２６），27，２８，２９，３０，３１，
９月１日 （ ）印 出席
（ｐ.３３）
８．２３
昨日の午後１時５０分新聞会へ電話したら、来ている筈の人が来ていない。午後という時間は１２時間ある。新聞会ルールによって午後と呼ぶ時間を設けるべきである。
（別筆跡）午後とは昼食後すいみんまでの時間である。
（欄外 この人物は、客体の運動の客観的法則を把握することに失敗したというほかない。余は不（１字別筆跡）健康上その他の配慮に基づいて、１５時までは起床せざることを習慣としている。）
私は毎日午前中この部屋を使用している。午前とは９時から１２時までである。午後はどこともなく消えてしまう。って、毎日午後くる人に会えないのは全く残念である。
しかし、会えない方が身のためなのである。つまり、その・・・・・・というわけ。新聞会内における統一戦線への基盤は全く強固である。去る日私が提起したところの文集反促進統一戦線結成の呼びかけは、時を待たず共鳴したものが多かったことは全く嬉しいことである。おしむらくは、統一戦線への弾圧の声が聞かれず、”山犬”的な開期延長論が頭をもたげるあたりの惨状は目をおおいたくなる。
弾圧を歓迎する。それだけでも、新聞会内の階級情勢と、それをとりまく諸情勢が判り、原稿のネタになろうというもの。
というわけなんです。書くものの材料不足。モザイクをするにも人間は出て来ない。静かな新聞会。死んだ新聞会。人間の棲息していない新聞会。夏休みとはいえ、悲しいことである。活動のいぶきが、余韻が僕の耳にはひびいて来ない。僕はつんぼか、それならば、幸いである。
勉強したくてもすることがない人は可哀相である。
なぜなら、その人はこの空家に毎日出頭しなければならないからである。それとともに、この新聞会も、それ以上に可哀相である。
ｐ．ｍ １．０５．
（ｐ.３４）
８．２３（つづき）
会長よ、編集長よ、その他”幹部”諸氏よ。自称、他称のDark Screen（クロマク）諸氏よ。そしてすべての会員諸氏よ。このノートを見た者は直ちに活動を開始しよう。
暑い夏休みは終りを告げ、名実ともに涼しい夏休みが始まっている。
眠りをさませ。僕らのまえには、沢山のものがある。
考えてもごらんなさい。会誌編集はさておいて、合宿が、九月からの新聞発行が待っている。
直ちに準備にとりかかろう。
腹が減ったので書くのをやめます。
８/２３
午後０時十八分入室。
こわいおぢさんが一人、じっと一点をみつめてすわっていた。
おぢさんの顔を見ると、レンメイ、レンメイ、レンメイ・・・・目の前にあのうす汚れた産別会館の一室が、メイメツ、（否、明の方は、ぼくの脳裏には、全然ないのですが。）メツメツしてくる。
おぢさんに見まもられて、しょうがなく連通の編集を始めた。
原稿がやはり入つていず、（何処も同じなんとやら）発行が―十日も遅れてしまっている。編集スタッフは、たゞ、唯、編集長と称するものひとりのみ。
おぢさんは相変わらず、こわいもんですわ。
ぼくの文集向けのゲンコウは雑誌発行の数日前を見はからって必ず、かかせていただくつもりでおります。
〈明日の在京者会議には欠席いたします。〉
ぼくは、おぢさんの書いた（否、否、本心から○（注 １字不明）信じているらしい）
統一戦線については、反対したします。
（ｐ.３５）
しかし、ぼくは日本の民主戦線の運動全体に我が愛する新聞会のような無意識的な統一戦線が形成されることを切にこいねがっている男のひとりです。
ぼくは、我が新聞会諸兄姉の無意識的、以心伝心的統一戦線の成立を高く評価するものです。
民族統一万才
（注 民族とは、ゲルマン、ユダヤ、漢、モンキーAffe（高崎山と八王子）・スラヴetc）
新聞会の無意識的統一万才。
（Kitagawa,Hudotoku,Kyoshitu）
８．２３
単独採決・会期延長を許すな！
統一戦線を強化せよ！
文集の原稿に頭を痛めている会員諸兄姉よ！今こそ（欄外 別筆跡 頭を痛めている だけ有望ね）
奮起せよ。そして､無責任な会期延長政策を許すはめに陥った状況を作らしめた要因は会員全員に原因があることを自覚せよ。
（欄外 別筆跡 全体 とは個の集合である）
破廉恥な反革命的”反文集推進統一戦線”結成の呼びかけが、巷で行われる中で、文集編集間の苦脳（注 ママ）とあせりは目にみえ、単独採決は既に時間の問題にさえある消息通は語っている。（あゝ邪魔が入りました。あの忌わしき酔漢独立行動隊の歌が。諸君、単独採決に反対する強固革命的な推進的統一戦線を結成せよ。それは、民主的な会員独自の要求の上に立った組織である。
反革命的組織を粉砕せよ。統一戦線万才！
すべての会員は統一戦線に結集せよ。
（別筆跡 酔漢の自由を守れ／決起せよ教新の編集者／栄ある合宿の伝統を守り／酒汐には正義の／酒汐をもて飯みはじめろ／酔漢のてき、われを売る／ぶたどもと／意味が通じないけれど、いいたいことは／わか ると思います。）
（ｐ.３６）
８．２３
秋山文集編集長さま
文集の原稿を締切日数日前から持ち歩いておりますが、不幸にして貴女にお逢いできなため、お渡しできないでおります。毎日おいでになるという編集長に今日こそはお逢いしようと思ってまいりましたが、またダメ。残念ですが今日も原稿を持ち帰ります。だんだん減っていってなくなりそうです。
〈２３日来室の数人〉
文集編集部員を他の人に変更していただきたくお願いしたします。夏休み中を編集長とちがってサボッたため、まだ勉強することがありますので。
〈２３日来室の数人の一人〉
皆々さまにおわび申し上げます。（別筆跡 合宿では残ながらのめませんね。）
私こと胃かいよう気味で、毎日胃のいたみに悩まされるほかは、何を収容しても胃痛をおこし、その余波をうけて身体しようもうし、夏も終りというのに夏バテの極にあえいでおります。
そのためとはいえ、２３日欠席いたしましたことを、深くおわびする次第であります。
昨日は、さる事情（別筆跡 内容を言え）で高円寺から中央線に乗り、新宿駅で７．８番線ホームまでたどりついたとき急行列車の刺戟故か・・・・腹部一帯が痛み出して歩行困難となりましたので、しばらく休んだのち、下り電車にのってしまいしました。２０分以上も歩かした人がいけないのよ。
（ｐ.３７）
８．２４
だれもいないと思ったら、２４日に来たのは私だけなのでしょうか。
ついさっきまで、このへやでだれかの悪口をいっていた人たちは、どうやら２３日に来た人らしいので、今日は私がまたひとりで、この出勤ボに署名することになりました。
間山さま
原稿あしたうけとります。
今日はまだかいていたというのは契約違反だyo。
久保田さま
あした来るつもりですので、そのときに自己批判・相互批判
批判の原則にしたがってつるしあげあいましょう。
橋本さま
鍵がなくなって、守衛所から怒られた分は（もし怒られたとしたら）私がひきうけます。実は、私が鍵をもっていました。
村松さま
明後日あたりから、研究会はじめましょう。
わが親愛なる大谷成章氏のラヴ・レターをだれか知りませんか！
彼は９月１日まで那須野に冷凍づけにななっているそうです。おりて来たら、まずアルコール・ランプで暖めてあげて下さい。
原稿をかきもしないで毎日ハイエナのように腐肉めあてにむらがるひとびとに。原稿があつまらなくて、雑誌が出ないというような事態がおこったらそのときは――。会長が秘策をねって（別筆跡 無断で会長の名をかたるとはふとどき千万！）いますが話はかんたんです。出ていけないものは出ないことになっているし、指導部の日和見は下部大衆の弱点の反映であるといういいかたもあるし、そのままスタティックに把握すれば、私たちは新聞出すだけでもおぼつかないのに、そのうえ雑
（ｐ.３８）
誌など出そうと分相応な考えをもったのが、まちがいでしたと皆であやまればいいのです。もちろん原稿をかいたえらい人たちい対してではありません。
そのひとたちには物質的な保障を伴う感謝の意を表明する必要があります。
あやあまらなければならない相手は？
それがわかったら、さっさと原稿をかいて下さい。
ただし。
私は、文集が出ないだろうなどとユメにも考えたことのないことをあえてつけ加えます。
８／２５
天気晴朗なれど風強し。
（ｐ.３９）
８．２６
全学新書記長よりTELあり。
「きのうの原稿恥ずかしい。このつぎ書くのは一週間後」
じっさい”犯罪的”だな（どうです人い言われる気持ち？）
はずかしいって顔ですか！塩ザケにうるしをぬったような面の皮のあ
つさがあるくせに。勝手にしやがってるってわけさ。
（あとで不敬罪にとわれそうだから、アリバイつくりのためにげ
だすことにしよう。）
まてどくらせど竹内兄きたらず。
お先に行くよ。
秋山女史・・・・大矢女子よりTELあり。あとでかけますとさ。
にげだそうとしたら竹内兄よりTEL。(別筆跡 もう不在証明は成立しないよ。）
まるで電話交換手のしごとじゃないか。・・・・・・。
Princessへ。Tel.(982) 8085
毎日補導課へ通っている。（べつに就職のためではない）
待人は来らず、雑誌は難航のいっとを辿っている。
不敬罪容疑者の告白をよみ、
早速 Princessの番号を１０４のおねえさまにうかがって、TELすると、竹内先生が出た。数分で通話は終る。
この間に新聞会の浮沈を決する大陰謀が企まれたことは､知る人ぞ知る。
＜文集消息＞
今日、集まっている分は整理を終え、明日からcuttingに突入します。皆さまの協力をお願いします。といってももうだれも来ないでしょうけれど。
全学新書記長というえらい肩書きの人へ。
１週間後ではまにあいません。今号はお諦めになる方がよろしいでしょう。マッタクはずかしがるにも、ときとばあいを考えていただきたいものですな。
（ｐ.４０）
８．２７
ぼくの顔に誰かがウルシをぬったので、今朝、石ケンとミガキで、よく洗い、研磨機をかけたところ、鮭のように赤みがかかった若若しい皮が出来た。というと喜ぶ奴がいないとも限らないが。勝手にウルシをぬり、鮭の皮をカブせた男の顔がみたい。
犯罪的という言葉はピタリとそれにあてはまる人間に使える場合にしか僕は原則的に使わない。この言葉の乱用は、あてはめられた人間に対する過大評価をもたらし、この言葉のもつ恐怖心をうすくする。さらにこの言葉の乱用はこの言葉への侮辱的行為である。まして、この言葉が僕にあてはまるということは考えることもできない。
不敬罪行為に対する意見
＜不敬罪容疑者のアリバイ＞不敬罪は直接に相手に危害を与えるものでなく、当事者間の行為ではない。不敬行為が第三者に対してなされ、その伝播が及ぼすところの被害者への影響をもって行為の対象と対象とされるものである。
しからば「今回の不敬罪と自称する男の行為はそれの不敬罪として成立」 不敬罪容疑の決定たり得る証拠は、その行為の物的証拠に頼る以外になく、アリバイの有無は当面の捜査の目標たり得ない。
従って不敬罪容疑者の決定は、本ノート、１ページ前に記されている事項とその筆者と対象とするところの捜査に当面の問題はしぼられる。
その前に問題に上さなければならない
不敬罪とは､特定の一個人に対する名ヨキ損の問題が拡大され、口家的或いは共同体的制裁の下で、過せられるものである。
特定の個人とは何か。その社会のシンボル的な一種の偶像を、体制維持のために操作し、その個人への攻撃は即、社会的な秩序の維持に重要な関りを持つ如き人物である。
（ｐ.４１）
現在の社会における不敬罪は何か。そえれは支配者のイデオロギーに対する攻撃的行為は、すべて該当することになるのである。
しからば、現在不敬罪は成立するか。しない。何故なら不敬罪は当面の行為の対象に一人の特定の個人をおくこと故に成立していたからである。思うに現在特定の個人をこの社会のシンボルとするには摘（ママ）格性を甚だしく欠き、不敬行為の対象とはなり得ない。
されば、本容疑者は何故に自己の行為を不敬罪と呼んだのか。それは本容疑者の精神分析の結果を待たねばならない ソノトウリ（別筆跡）本容疑者は日常の素行より考えてアナクロニズム的な傾向がウカガえる。まして、目下文集編集やらで、精神的苦脳（ママ）の状態に陥し入れられ、（特にこれは彼の創作原稿は発禁のおそれにあうと考えていた。）その苦脳（ママ）は彼の頭脳細胞の機能をマヒっさせ、現在の時点を２０年とおきかえ、それに不敬罪存続時代の様相を頭の中で描いたのである。されど、何故に全学新書記長なる人物を不敬的行為の対象としたか。それは本官の予測を全く裏切るものであり、本容疑者の自白を今少し検討しなければならない。（現在に至るも､容疑者はあらわれず、逮捕されていないので後にゆずるとしても、以下は）本官の意見である。）
不敬行為の対象となったＡはその社会の特定の個人とは同一ではない。しかるに彼は同一視して、不敬行為をなしたと呼んでいる。その関連においては次の二項が考えられる。
１） Ａと特定の個人とは全くよく似ており、そのみわけがつかなかった。
２） 両者の関連をとりわけ考えずに不敬罪なる用語を摘（ママ）用した。
（ｐ.４２）
おそらく、後者に寄って、彼の発想は支えられてた。何故なら、本容疑者はＡの極めてよく知っており、全学新書記長なる職務を熟知しているのである。
しからば、何の関連もなく、不敬罪の用語をそれに該当しない者に用いたことは”不敬罪”という用語のもつ意義を極めて、軽視する不敬行為であるといわなければならない。
従って、この用語乱用は厳に慎められるべきものであり、本官は本容疑者に有罪の判決を下さざるを得ない。
刑はは特に情状を酌量して、九月二日より、三日間、合宿において、Ａの要求にすべて肯んずることを命ず。
又、Ａに対しての不敬罪
全学新書記長への不敬行為とはあり得るおか。絶対に存在しない。何故か。全学新書記長なるものは高等（名前だけが）小使にすぎない。このような人物に不敬の語を冠することすらけがらわしいのである。
更に不敬罪はその行為の及ぼす影響から、その刑の当否が求められねばならない。しかるに、本容疑者の行為は被害者に対して、目下何らの危害を与えていない。それは本容疑者の行為は流言飛語に類するものであり、Ａの容姿から考えて、何ら根拠がない。従ってこの件については、本容疑者は無罪とさるべきであろう。
二十年以上の本官なりせば、かくの如き、名 迷判決を下し得るも現在は不敬罪の摘（ママ）用は法律上許されてはいない。従って本項は反故にさるべきであろう。
ただし、Ａの要求を全て受け入れよとする項は、これを認めるよう勧告する
１９６０年。８．２７
東京教育大学人民裁判所
新聞会支部 裁判官 南扇子
（欄外 これだけムイミなことをかくヒマがあったら一週間たたなくても原稿はかけるでしょうに。）
（ｐ.４３）
８．２８
○ 村松、秋山女史殿
昨日は失礼いたしました。バイトの子が某高校のブルジョア的入学テストの予備テストのため、同伴いたしましたので、この我が家に帰ることができませんでした。悪しからず。（別筆跡 論理の飛躍じゃないでしょうか）
Cuttinngは秋山女史がやってくださると思いますが、
どうなっているのでしょうか。ぼくの原稿は月曜か火曜の夕方に出
来ると思います。自分でCuttingするつもりですが、方法（原紙其の
他）をお知らせ下さい。 竹内
○中原高等小使殿
連通は約六万字で３４ページ位になる予定です。刷り上がりは３０日か３１日ということでしたので仕方がありません。
すごく混雑しているそうです。
北川高等小使補より、
都合により原紙、やすり、鉄ぴつを借ります。
↑
竹内さんは地上最大のnonsense男です。
今日午後から、cutting するつもりで、美津野に原紙を頼み、原稿をもってやってきたところが ―――
予定を彼に連絡しておかないのがそもそものまちがいだった。来てみたら、やすり２枚、鉄ぴつ数（？）本がなく、これでは cutting は不可能です。
これから自治会室へ行って必要なものを盗んでこようと思いますが、それでもなければ今日の予定は全面的に変更しなければなりません。恨めしいのは、竹内さん。何故によりによって今日という日に、それも数十分のちがいですれちがうのでしょう？
（ｐ.４４）
８／２８
文集発行 スケジュール（案）
２６日までで 原稿整理完了 集まった原稿 約３００００字分＝約３０ｐ分
cutting
２７日 カッティング４ｐ ４
２８日 ○表題・表紙デザイン決定（M．W氏に依頼）
○ カッティング １０－１５ｐ １４－１９
２９日 ○この日までに届いた原稿の整理・最終編集
（１５ｐ増加のみこみ）
○カッティング ２０－２５ ３４－４４
３０日 カッティング １０ｐ－１５
表紙・表題 カッティング
カット その他 仝上 ４４－
終了
３１日 ○スッティング・製本
文集に関するメモ
原紙
４ｍｍ 原稿原紙タテがき １枚 ２１９６字
B６大 ２６×２１×２＝ １０９８字（１ｐ）
上下３マス 中ヨコ３ タテ１０ アキ
Volume ４５ページ（予定） これより多くなることはない。
表紙・目次の配列は検討中
５０冊で足りるでしょうか。
（ｐ.４５、右画像・クリックで拡大）
┌────────────────┐
│ スケジュールは左の通り │
│ カッティング要員を募集します ！ │
└────────────────┘
年令性別とわず
経験：あるにこしたことなし
１日 ４ｐ ノルマ
Ｐａｙは出そうもないけど我慢してね。
８月３１日
まるまる１ｹ月半 遊びに遊んで 遊び疲れて眠い目をコスリ コスリ ３時におヘヤに入って来ました。
倦怠感と疲労感に満ちた校庭（私がそうだったのかも知れません）を横切ると ソヨとも吹かぬ風がなつかしくてウアーと泣きそうに思ったけれど止めました（ウソ）
昨夜（今朝早くという方が正しいでしょう） ムリして机に向い、一所懸命に書いた会長サマへの手紙みたいなものを、机の上においたままで来てしまったことを思い出しました。
｢合宿不参加届」であります。
明日持ってまいりますから今日は書かないでおきます。
お願い
あと２週間で夏休みが終るけど、誰か私に合う仕事で、大学卒の資格がいらず高給で私が喜んでやりそうなのを知りませんか、あったら紹介して下さい。
９．１７