そのような疑問に対しては「ミスコンは先天的なものを競うから差別なので 、ほかのものとは性質が違う」と答えることになっているらしい。
だが、先天的か、後天的かというのは相対的な問題である。高校野球の投手 はたしかに多くの練習を積み重ねてきたであろうが、誰でも練習すれば投手にな れるというものではない。ある程度の先天的な素質がなければ、いくら練習して も一定の水準に達することはできない。一方、ミスコンは先天的なものを競って いるようには見えるが、それでも「美」の維持管理には、ある程度は後天的な努 力も必要なのであって、それなしには美人も台無しになってしまう。先天的か後 天的かというのはどちらの比重が大きいかという程度の問題であるにすぎないと 思う。
人には持って生まれた資質・能力の違いがあるのだ。容姿には自信がなくと も、学力には自信のある女性が努力して大学教授になることと、学力には自信が ないが容姿には自信のある女性がミスコンで入賞することとの間には、どちらが いいとか、悪いとかいうことはなく、両者は等価であると私は思う。「女性差別 反対」などと社会正義を装う看板を掲げてはいるが、ミスコン反対論は、実は、 インテリ女性のやっかみを根拠とするものでしかないと思われる。
大切なことは、それぞれの人間がそれぞれ自分に適した土俵を見つけ、その 上で勝負することである。自分がのれない土俵だからといって、それを廃止させ ようというのはおかしい。
「差別」という言葉がひとり歩きしているのである。